研究概要

メンバーによる解説記事 FY2018 (Heisei 30)

キタエフ量子スピン液体におけるマヨラナ・フェルミオンと非可換エニオン
松田 祐司 / 笠原 裕一
松田 祐司 / 京都大学 大学院理学研究科 教授( 研究分担A01)、
笠原 裕一 / 京都大学 大学院理学研究科 准教授( 連携研究A01)

 トポロジーという現代物理学の最も重要で基本的な概念を含む量子ホール効果は、凝縮系物理学における最も劇的な現象の一つである。特に分数量子ホール効果状態では、分数電荷の粒子や分数統計のエニオンなどの様々なエキゾチックな創発準粒子が現実に観測される。【記事全文】(894KB)

バンド理論のトポロジーとAtiyah-Hirzebruchスペクトル系列
塩崎 謙
塩崎 謙 / 京都大学基礎物理学研究所助教(連携研究D01)

 最近、SPT(Symmetry Protected Topological) 相と呼ばれる基底状態に縮退の存在しないトポロジカル相において、空間群のような空間的に非局所な対称性と系のトポロジカルな性質を同時に扱うことが可能な枠組みとして、アティヤ= ヒルツェブルフ・スペクトル系列(Atiyah-Hirzebruchspectral sequence。以下、AHSS と略す。)と呼ばれる数学的ツールが有効であることがわかってきた[。
【記事全文】(1445KB)

メンバーによる解説記事 FY2017 (Heisei 29)

CuxBi2Se3におけるスピン回転対称性の破れとトポロジカル超伝導
鄭 国慶
鄭 国慶 / 岡山大学 大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻 教授 / 研究分担A01

 トポロジカル絶縁体と類似で、超伝導状態を記述する波動関数がトポロジカルに非自明な超伝導体はトポロジカル超伝導体と分類されます。その候補となるバルクの物質群は、(1)空間反転対称性が破れた超伝導体1)、(2)時間反転対称性が破れた超伝導体、(3)奇パリテイを有する超伝導体、などです。【記事全文】(894KB)

キタエフ模型が生み出す量子スピン液体研究の新たな潮流
那須 譲治
那須 譲治 / 東京工業大学 理学院 助教 / 公募研究D02

 電子が強いクーロン斥力によって結晶格子点に局在したモット絶縁体においては、電子の電荷の自由度は凍結し、スピンの自由度が磁気的性質を支配するいわゆる局在スピン系が実現していると考えられています。
【記事全文】(1460KB)

メンバーによる解説記事 FY2016 (Heisei 28)

磁性ワイル半金属におけるスピンと電荷の関係
瀬川 耕司
瀬川 耕司 / 京都産業大学 理学部物理科学科 教授 / 研究分担B01

 この記事は、気軽に読めるものをということで依頼をいただいたが、トポロジーに関係する気のきいた記事など私に書けるわけもないので、2010年から2015年までのだいたい5年間で全6台のヘリウム再凝縮装置・無冷媒マグネットシステムの立ち上げ・運転をした貴重な経験をまとめ、ここで共有してみようかと思う。
【記事全文】(1160KB)

2 次元トポロジカル絶縁体の研究
水島 健
水島 健 / 大阪大学 大学院基礎工学研究科 准教授 (計画研究D01)

 中性子星は、超新星爆発によってできる天体の最終形態のひとつで、1057個程度の核子で構成される、いわば宇宙空間に浮かぶ巨大な原子核である。その半径は10km程度であり、例えるなら太陽と同程度の質量を持つ天体が大阪市に収まっていることになる。
【記事全文】(1060KB)

メンバーによる解説記事 FY2015 (Heisei 27)

磁性ワイル半金属におけるスピンと電荷の関係
野村 健太郎
野村 健太郎 / 東北大学金属材料研究所 准教授 / 研究分担C01

 近年、スピン軌道相互作用がもたらす新奇量子状態としてトポロジカル絶縁体の研究が進められてきたが[1]、これに加え最近は、ワイル半金属[2] と呼ばれる強いスピン軌道相互作用に起因する新奇ゼロギャップ半導体が注目を集めている。
【記事全文】(1160KB)

2 次元トポロジカル絶縁体の研究
村木 康二
村木 康二 / NTT 物性科学基礎研究所 / 計画研究C01

 よく知られているようにトポロジカル絶縁体が最初に理論的に提案されたのも実験的に確認されたのも2次元系であり、それがその後3 次元系に拡張されたことでトポロジカル絶縁体の研究は大きく発展して現在に至っている。
【記事全文】(1060KB)